橋梁をはじめとする道路構造物は道路ネットワークを構築するうえで非常に重要です。社会資本整備への投資の減少、環境問題の深刻化が進行するなか、道路整備事業も他分野同様、初期投資だけではなくライフサイクルコストの縮減、資源の有効利用が求められております。こうした時代のニーズに応えて、新技術・新工法を取り入れつつ、経済性・環境性・耐久性を考慮して構造形式等を選定し、橋梁構造物等の計画・設計を行っております。

既存する橋梁構造物の多くは古い基準で整備されており、さらに長年の劣化等に伴って耐力等が低下し、車両の大型化や日々増加する交通量、及び大規模地震に対応した性能が確保されておりません。実状に即した載荷シミュレーションや地震応答解析等により構造物の保有する性能を把握し、立地条件等に応じて補強対策を立案し、設計を行っております。

日本は高度経済成長期に建設された橋梁が高齢化し、今後20年間で補修や架け替えが必要となる橋梁が一挙に増えます。橋梁の架け替えには多額の費用が必要となるため、損傷が軽微なうちから対策を行う予防保全型の維持管理が求められており、最適な補修工法を立案し、計画・設計を行っております。

橋梁構造物を効率的に維持していくためには、劣化損傷等を早期かつ的確に把握することが重要となります。そのため、梯子や橋梁点検車などを用いて近接目視により点検し、その結果に基づいて健全性の診断等を行っております。また、点検ロボットやドローンなどを導入して点検作業の効率向上を図っております。